平成19年8月1日発行 高照山 第236号
妙光寺住職  尾林 日至

『立正安国論』の御精神を胸に

 御承知のように、7月は、大聖人様が文応元年7月16日に『立正安国論』をもって、国主を諌暁あそばされたという、命懸けの折伏弘通の先陣を切られた月でございます。
  そういうところからも、ぜひ思い起こしていただきたいという三つの御文を用意させていただきました。
  日蓮大聖人様は『立正安国論』に、
  「仏閣甍を連ね経蔵軒を並べ、僧は竹葦の如く侶は稲麻に似たり。崇重年旧り尊貴日に新たなり。但し法師は諂曲にして人倫を迷惑し、王臣は不覚にして邪正を弁ふること無し」(御書二三八ページ)
と仰せになっています。
奈良や京都や鎌倉など、全国にたくさんの大寺が建立されて、諸宗の僧侶たちが竹や葦や稲や麻のように、たくさん輩出しました。各宗の寺院の歴史は、古くから続いて、世間の人びとが尊重することは、日々に新たになり、発展しているように見えます。しかし、教義の正邪を弁別するということは全く無視されて、僧侶たちは、ただ心が曲がって諂い、人の践み行うべき道を惑わしている。また、国王も民衆も、思慮・分別がしっかりせずに、仏法の正邪を見極めることができない。まったく我が国の僧俗たちが皆、謗法と化してしまっているということを、大聖人様は、当時の実状を踏まえて、このように仰せになっていらっしゃるのであります。
  これらのことは、700年、800年経った今日においても、まったく変わりがない現実であります。私たちは、この現実をしっかりと見据えて、これらの邪宗邪義を破折していかなければなりません。
  そうして、私どもは、
  「汝早く信仰の寸心を改めて速やかに実乗の一善に帰せよ」(御書250n)
という、大聖人様が呼びかけられた大事な一文を、決して忘れてはなりません。大聖人様が国主に向かって諌暁された御文であります。
  そうして『立正安国論』の最後には、
  「唯我が信ずるのみに非ず、又他の誤りをも誡めんのみ」(御書250n)
ということをお書きになって、当時の鎌倉幕府の最高権力者、北条時頼の誓いの言葉に擬えて、その発心と誓願を促された御文で結ばれています。「他の誤りをも誡めんのみ」と、大聖人様の教化に対して受け容れる心を示し、他の誤りをも正していくという宣言の言葉で終わっているのであります。
  私たちも、この大聖人様の『立正安国論』の御精神を受け継ぎ、そうして自行化他に亘る信行を増進して、本当の意味での世界広布、『立正安国論』の御精神を顕現する世界の建設に向かって、努力精進していくことが大切であります。
  一人が一人の折伏を目指し、我が班の倍増を目指し、我が地区の大結集を目指し、広宣流布の実現に向かって、お互いに精進してまいりたいと決意を新たにする次第であります。
  どうか、『立正安国論』の意義を今こそ高く顕揚して、大聖人様の御精神を一人ひとりが受け継いで、この『立正安国論』の御文を深く胸に刻み、御精進をいただきたいと思うのであります。よろしくお願いいたします。
  御案内のように、毎月「妙光寺通信」という3通の手紙を書いておりますが、今月も、そのなかで「創価学会の標榜する平和主義」と題して書いておきました。創価学会では「人間主義」「平和主義」ということを標榜していますが、学会の機関誌を見ますと、なかには、日蓮正宗や、かつては学会の幹部でり、今は学会を批判している人たちに対して、中傷、悪口、雑言、罵声の汚らしい言葉を浴びせることに終始しています。一体、どこに人間主義、平和主義、人権擁護の姿があるのか疑わざるを得ません。また、ニセ本尊を配って、信仰を誤らせるということ自体、まったく人間を無視し、平和を無視する行為と言わなければならないと思います。
  どうか一人ひとりが、これをよく読んで、皆様方の折伏に活かしていただきたいと思います。
  今日、御紹介いたしますのは、御案内いたしましたように、妙光寺の御宝蔵が昭和10年4月に建立されてから、本年で、もう70年余りを経過しております。そうして、先般、5月20日に、妙光寺の御霊宝虫払法要を奉修いたしましたが、その時にも御宝蔵に入りましたところ、虫が発生いたしまして、窓枠や柱の一部を食いちぎっているという有様で、表面が浮いているような姿でありました。今、早くに手を打たなければならない現状であります。また屋根の瓦もずれておりまして、一部割れたりしておりました。そういう現状の写真をお持ちして、先般、御法主上人猊下にお目通りいたしまして、御説明申し上げ、建て直しの、また修復の許可を賜った次第でございます。
  そういうことから、この7月9日から工事を始めまして、今年の御会式までに、この御宝蔵の改修をいたしたいということで、先般の6月13日に総代会を開催いたしまして、総代一同の御賛同をいただいた次第でございます。折角の改修でございますから、これから相当に強い地震が来ましても、百年は大丈夫なように改修したいと思っております。その完成の想像図が出来ておりまして、周囲の石塀は第2期になるかも知れませんが、一往、立派な形に改修が行われるというふうに御理解いだきたいと思います。
  今、妙光寺御宝蔵改修の御供養の趣意書を作りましたので、8月、9月、10月の3カ月の間に、皆様方のぜひ御芳志をお寄せいただければ有り難いと思っている次第であります。できましたら、お寺の積み立ての方で半分、皆様方の志の方で半分という形になれば、一番有り難いと思っております。
  皆様方の信仰の対境としての大聖人様の御本尊様、また日興上人様の御本尊様をはじめ、皆様方の元の講中の御本尊様等も含めて、御歴代上人の御本尊様が、数多く御宝蔵に厳護されているわけであります。また、妙光寺所蔵の古文書として、御歴代上人の御真蹟や写本等の数々も、貴重な資料として、御宝蔵にお護り申し上げております。そうした妙光寺の先人の尊い御霊宝、宝物をしっかりと護持申し上げて、末代に伝えていくことこそ大切だと思うのでございます。
  どうか、その意義を深く考慮されまして、また皆様方が功徳、善根を積ませていただける絶好の機会と捉えて、御協力を賜りたいと思う次第であります。
  7月7日に信徒の代表有志の方にお集まりをいただきまして、御宝蔵で起工式を奉修いたしたいと思っております。3カ月ほどで出来上がる予定でございますので、今年の御会式には立派に出来ていると思います。どうか楽しみに待っていていただきたいと思う次第であります。
  いずれにいたしましても、私たちは今、平成21年の「『立正安国論』正義顕揚七百五十年」を前にして、一番大事な時を迎えております。この時に当たり、一人ひとりが、御法主上人猊下のお志を深く相継ぎまいらせていかなければなりません。
  また、日興上人が『原殿御返事』に、
  「いずくにても聖人の御義を相継ぎ進らせて、世に立て候はん事こそ詮にて候え」(日蓮正宗聖典560n)
と仰せられた御精神を体して、なんとしても自ら正法を貫き、正法の福徳をもって人を救い、自他ともに本当の幸せを分かち合うという、そこにこそ日蓮正宗信徒としての生きる道があるのであります。どうか、みんなで幸せな境涯を、みんなで功徳を頂いて、みんなで諸難を乗り越えて、揺るぎない確固とした日蓮正宗の本物の信徒になりきっていただきたいと思います。
  今年、来年の支部総登山、さらに平成21年には記念の総登山が行われることになっております。大結集の大会も大事でありますけれども、私たち一人ひとりが、この支部の登山も充実発展させて、講中一同、本当の幸せを分かち合う講中に生まれ変わっていただきたいと思います。そうして正法の人として輝き、正法の家をしっかりと打ち立て、また正法の福徳をもって万人を救う。そうして、揺るぎない両支部の発展を期していっていただきたいと念願して止まない次第であります。皆様方のいよいよの御精進と御多幸をお祈り申し上げまして、一言、御挨拶と、またお願いに代えさせていただく次第であります。大変、御苦労様でした。有り難うございました。
(平成19年7月1日 広布唱題会において)



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