平成19年11月1日発行 高照山 第239号
妙光寺住職  尾林 日至

支部総登山における住職指導

 皆様、お早うございます。早朝より総本山に参詣させていただき、皆様と共に、このような支部総登山、そうして指導会を持つことができ、御協力をいただきまして、大変ありがたく存ずる次第でございます。
  今日はまた「敬老の日」に当たっておりまして、妙光寺といたしましても、80歳以上の御長命の方たちが、妙光寺支部・正道講支部併せて約350名いらっしゃいます。恒例によりまして、ささやかなお菓子を贈らせていただきましたが、昨日は一日中お礼の電話が鳴りっぱなしでした。家内がそれにずうっと応対に当たっておりました。御高齢の皆様方が、たったあれだけの住職のしたことに対しまして、心から喜んでいただいて、お電話をいただき、ささやかなお祝い事でありますけれども、その方がどういうふうに思い、どういうふうに考え、どういう信心をしていらっしゃるのか、その一端を電話を通して、直に承りまして、家内も、非常に感動しておりました。今後も続けたいと思っておりますけれども、どうか遠慮なく電話をして御意見を言っていただきたいと思います。
  私たちは、今後、妙光寺という大寺院を、いよいよ名刹として、誇りも高い、折伏弘通の絶えない講中、折伏を忘れない法華講として、発展させなければならないと思っております。
  戦前の有元大慈院さんの時代には、何をやっても東京第一、日本一の妙光寺でした。それは『妙光寺百年史』にも記録が載せられております。そうして今日の発展の基礎が創られてきました。また、東京の妙国寺や妙真寺等々は妙光寺の支院として育ってきたお寺でごさいます。大森にも教会がありました。したがって、本寺だけではなく、支院の方にも信徒ができ、僧侶が育ち、そうして広布に邁進していたのでございます。 その妙光寺の歴史に恥じない、さらに新たなる発展を期し、精進を重ねて、後進に示していっていただきたいと思います。
中国の章安大師が涅槃経を解釈した『涅槃経疏』(巻第十六)のなかに、
  「如来は即ち是人の醍醐なり。一実諦は是法の醍醐なり。醍醐の人、醍醐の法を説く。醍醐の法は或は醍醐の人なり。人は之法と一にして無二なり」(大正蔵38ー136A)
ということが述べられております。つまり、醍醐というのは、味に譬えて、これ以上ない最高の味ということで、最も正しい、最も意義があり、最も功徳がある、唯一の真実の悟りを、醍醐の法というのであります。
  その醍醐の法は醍醐の人によって説かれる。最高の人である仏様と、その仏様の説かれる最高の法とは、人法一箇であるということであります。
  日蓮大聖人様は、世界の衆生を救済するため、あらゆる困難や大災害を防ぐために『立正安国論』をお認めになり、三大秘法という大仏法を確立あそばされたのであります。
  本日、私たちが御開扉を給わるところの本門戒壇の大御本尊様は、大聖人様が佐渡において『観心本尊抄』のなかで、
  「一閻浮提第一の本尊、此の国に立つべし」(御書661n)
と仰せになった、その一閻浮提第一の御本尊様であります。その大御本尊様にお目通りし拝することができる私たちは、本当に世界中で最も恵まれた幸せな境涯にあるということを確信していだきたいと思います。
  今、海外の御信徒は、毎年、春の御霊宝虫払会、夏の研修会、あるいは秋の御会式等の法要に、世界の各地から総本山に参詣されますが、その海外の御信徒は、大変な労力と費用をかけて登山をされているのであります。なかには国内で働いていたのでは登山ができないから、国外に出て必死に働き続けて費用を蓄え、そうして“生涯の思い出をつくろう。一度でいいから何としても総本山に登山したい”と、そのような苦労を重ねて登山をされる方もいらっしゃるのであります。そうして、登山中にお許しを頂いて、最後の最後まで何回も御開扉を受けて、総本山に参詣できたことを本当に生涯の誇りとし、喜びとし、歓喜の思いで帰国をされるのであります。
  そのことを思いますと、私たちは、もっともっと大聖人様の弟子信徒であることの有り難い意義をしっかりと噛みしめて、登山の意義を啓蒙し、大聖人様に御報恩申し上げなければいけないと思うのであります。
  「一閻浮提第一」という意味は、本当に何ものも比べることができない閻浮提第一の法であり、閻浮提第一の戒壇であり、閻浮提第一の御本尊様であるということでございます。本門戒壇の大御本尊様は、大聖人様の本懐中の本懐、まさに世界第一の御本尊様でございます。
  総本山第26世日寛上人は『依義判文抄』に、
  「一大秘法とは即ち本門の本尊なり。此の本尊所住の処を名づけて本門の戒壇と為し、此の本尊を信じて妙法を唱うるを名づけて本門の題目と為すなり。故に分かちて三大秘法と為すなり。(中略)三大秘法を合すれば則ち但一大秘法の本門の本尊と成るなり。故に本門戒壇の本尊を亦は三大秘法総在の本尊と名づくるなり」(六巻抄82n)
と御指南あそばされております。つまり、本門の本尊、本門の題目、本門の戒壇という三大秘法を合すれば、ただ一大秘法の本門の本尊となるのであります。ゆえに本門戒壇の大御本尊を三大秘法総在の御本尊と申し上げるわけであります。
  本門の題目については、大聖人様が『三大秘法抄』に、
  「末法に入って今日蓮が唱ふる所の題目は前代に異なり、自行化他に亘りて南無妙法蓮華経なり」(御書1594n)
ということを仰せでございます。したがって、御本尊を信じて、純心に自行化他の修行を貫いて、折伏を伴ってこそ、はじめて「本門の題目」と言えるのだということを知っていただきたいと思うのでございます。
日寛上人は『観心本尊抄文段』に、
  「此の本尊を信じて南無妙法蓮華経と唱うれば、則ち祈りとして叶わざる無く、罪として滅せざる無く、福として来らざる無く、理として顕われざる無きなり」(日寛上人御書文段189n)
と仰せでございます。私たちは、まさに、この有り難い大功徳を、信心唱題のうえに成就することができるのでございます。
  本門の戒壇については、大聖人様が『三大秘法抄』に、
  「霊山浄土に似たらん最勝の地を尋ねて戒壇を建立すべき者か」(御書1595n)
と仰せでございます。その最勝の地とは、この総本山であります。この富士の麓であり、戒壇の大御本尊様の在す霊地であります。世界広しといえども、本門戒壇の霊地は、この総本山であり、末法万年の根源の霊地なのであります。したがって、これからどんなに変わって発展していくか、世界の霊場として、世界のあらゆる人たちの信仰の志を集める大寺院となっていくことを確信し、見守っていただきたいと思います。
  日蓮大聖人様は、三大秘法の大仏法を建立され、その広宣流布を御指南あそばされているのであります。
  皆様方は、今後とも、大目標としての広宣流布の具現に向かって、一人ひとりが、弛まぬ信行をもって、着実に一歩一歩、精進していっていただきたいと思うのであります。
  「一人が一人の折伏」をということを日顕上人猊下が御指南になりました。この御指南に添って、私たちは、平成21年の『立正安国論』正義顕揚七百五十年の佳節に向かって、一人が一人の啓蒙を行って、ぜひ総登山に連れてきていただきたいと思います。
  皆様方、一人ひとり、みんなで御命題の達成のために御奉公させていだこうではありませんか。
  平成21年に向かって、一人が一人の人を啓蒙していけば良いのです。親族の方、そうして友人、知人の方を見つけて、一人の人を救ってあげてください。導いてあげてください。それが本当の幸せにつながります。それが折伏の歓喜につながり、そしてまた支部の発展につながり、大聖人様の大誓願につながるところの着実な一歩一歩となっていくことを確信していただきたいと思います。
  皆様方の御多幸と折伏目標の成就を念願いたしまして、指導の一端に代えさせていだきます。本日は御苦労様でございました。
(平成19年9月17日 妙光寺支部・正道講支部総登山指導会 常来坊にて)

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