平成20年2月1日発行 高照山 第242号
教 行 証 御 書
建治3年3月21日 56歳

 「此の本門の戒の弘まらせ給はんには、必ず前代未聞の大瑞あるべし。所謂正嘉の地動、文永の長星是なるべし。抑当世の人々何れの宗々にか本門の本尊・戒壇等を弘通せる。仏滅後二千二百二十余年に一人も候はず。日本人王三十代欽明天皇の御宇に仏法渡って今に七百余年。前代未聞の大法此の国に流布して、月氏・漢土・一閻浮提の内一切衆生仏に成る べき事こそ有り難けれ有り難けれ」(御書1110n)

(住職講義)
 本日拝読の御書に難しい箇所はございませんが、その内容たるや、大聖人様が妙法蓮華経の三大秘法をもって、一切の人びとを救済なさるのだという、広宣流布を望んでの確信を述べられた御文でございます。
  インドの釈尊が入滅して後、二千二百二十余年の間に、妙法蓮華経の大御本尊様を建立された方は一人もいない。大聖人様以外には誰人も顕すことのできなかった本門の本尊等について触れられております。
  インドの釈尊は五十年間の御化導において、最後の八年間に本懐の法華経をお説きになりました。しかし、釈尊の仏法は、滅後、正像二千年間に寿命が尽きて、その使命を終えられたのでございます。
  大聖人様は、釈尊の仏法が隠没した滅後二千年以後の悪世末法において、本門の本尊・戒壇・題目の三大秘法をもって、一切衆生を即身成仏せしめ、悉く救済なさるという一大事の因縁のゆえに、お出ましになったのであります。この三大秘法は、インドの釈尊が説かれた経典の表に顕れておりませんし、また天台大師や伝教大師などの方々が説れた書物にも見えません。 しかるに、大聖人様は、佐渡において『開目抄』を著されて人の本尊を開顕され、さらに『観心本尊抄』をもって法の本尊の意義を明らかにされました。そうして御一代の本懐として、弘安2年10月12日に、本門戒壇の大御本尊様を建立あそばされたのであります。大聖人様は御本尊様に「仏滅後二千二百二(三)十余年未曾有之大曼荼羅也」とお認めになっていらっしゃいます。
  この御本尊様は、末法の御本仏、日蓮大聖人様が、そのお悟りに基づき、御仏智と、御慈悲をもって、一切衆生のために建立されたものであり、一閻浮提に広宣流布するための御本尊様にましますということを、ぜひ皆様方も今後の折伏において、断固として強調していただきたいのであります。
そうして、日蓮正宗の信徒は、大聖人様からの唯授一人の血脈相伝に基づき、代々の御法主上人猊下から、由緒正しい仏法の根本である本門の大御本尊様を御下付頂いて、その尊い信仰を貫くことができる。こんな有り難い宗旨は、世界中どこを探しても他には絶対にないのだということを、はっきりと世間の人たちに教えてあげていただきたいのであります。
日蓮正宗は、真言宗や念仏宗や禅宗などの世間の宗旨とは全く違います。末法万年の衆生を救済する大法である三大秘法を教法の要義としているのであります。そうして、その根本の本門戒壇の大御本尊様の法体をお写し頂いたものを、帰命依止の御本尊様として御下付給わるのであります。こんな有り難い、こんなに尊い宗旨は世界中を探しても他にありません。
  大聖人様は『如説修行抄』に、
「所詮仏法を修行せんには人の言を用ふべからず、只仰いで仏の金言をまぼるべきなり」(御書671n)ということを仰せであります。仏法の正邪、浅深を究めるには、人師の言葉に紛動されてはなりません。何よりも大事なのは仏様の金言に従うことです。真言宗の空海や、念仏宗の法然・親鸞や、禅宗の栄西・道元等々の人師の、仏説に依らない己義を信用してはならないのです。真言宗にしても、念仏宗にしても、禅宗にしても、その開祖たちが間違ってしまっている。したがって、その末学の者たちが仏法の本当の教えを見失い、そういう誤った濁った流れが、今日に伝わって来ているのであります。
  そういう末法の時、大聖人様は『観心本尊抄』に、
  「一閻浮提第一の本尊、此の国に立つべし。月支・震旦に未だ此の本尊有さず」(御書661n)と御教示になっております。
  また『顕仏未来記』には、
  「此の人は守護の力を得て本門の本尊、妙法蓮華経の五字を以て閻浮提に広宣流布せしめんか」(御書676n)「仏法必ず東土の日本より出づべきなり」(御書678n)とも仰せになっております。
  また『日女御前御返事』には、
  「爰に日蓮いかなる不思議にてや候らん、竜樹・天親等、天台・妙楽等だにも顕はし給はざる大曼荼羅を、末法二百余年の比、はじめて法華弘通のはたじるしとして顕はし奉るなり」(御書1387n)と仰せであります。
  これらの御言葉の通り、大聖人様がお出ましになって、妙法の御本尊様を建立し、一切衆生に授与あそばされているのであります。日蓮正宗の信仰は、御本仏の教導による唯一絶対に正しい教義であり、総本山大石寺には、根本の本門戒壇の大御本尊様と、血脈付法の御法主上人猊下がましまし、教導あそばされております。この尊い御慈悲を無にすることなく、私たちは、実生活のうえに功徳の現証を示して、世の中の人びとを啓蒙していっていただきたいのであります。
  大聖人様の仏法は、どれほど尊いものであるかということを、この御文を通して本当に真剣に拝読していただきたいと願って止みません。
  私たちは、大聖人様の尊い三大秘法に巡り会えたことを人生最大の喜びとして、どうか世の中の人びとに正法正師の正義をお伝えし、広宣流布へのお手伝いをさせていただかねばなりません。以上、一言申し上げまして、本日の御挨拶に代えさせていただきます。
(平成20年2月1日 広布祈念唱題会において)

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