平成20年4月1日発行 高照山 第244号
妙光寺住職  尾林 日至

大聖人様の御誕生会に当たって

 本日、宗祖日蓮大聖人様の御誕生会の法要を奉修申し上げましたところ、総代、講頭各位、ならびに檀信徒の皆様方には万障お繰り合わせのうえ、御参詣いただきまして、大変ありがとうごさいました。心から御礼を申し上げます。本来ならば2月16日に奉修申し上げるのでごさいますけれども、皆様方も参詣しやすいように、1日遅らせて本日の日曜日にお誕生会を奉修申し上げた次第でございます。
  皆様方も御承知の通り、大聖人様は凡夫僧として御出現あそばされたのではなく、末法の御本仏としての御境界において、法華経の文底に秘められた深い御内証をお持ちになって、御誕生になったのでございます。 また、一番大切なことは、大聖人様は、一切経をことごとく深く御覧あそばされたうえで、御自ら仏様の御境界において、外用は上行菩薩の再誕として、事の法華経と申しまして、法華経に説かれている予証の通りに振る舞われたのでございます。
  そうして、本門の本尊、本門の戒壇、本門の題目という三大秘法の大仏法を建立あそばされたわけでございます。
  三障四魔、三類の強敵が紛然として競い起こるなかで、敢然として謗法の諸宗を破折なされ、末法の一切衆生の救済を決意されて、我が日蓮正宗の基を開かれたのでございます。
  大聖人様は『寂日房御書』に、
  「日蓮となのる事自解仏乗とも云ひつべし」(御書1393n)ということを仰せになっておられます。
  「自解仏乗」ということは、師匠の教えを待つまでもなく、御自身で一切経を全部明確に御理解あそばされて、根本の仏法とは何か、それは南無妙法蓮華経の一仏乗であるということをお悟りになったということでございます。
  われわれ凡人がそんなことを申せば、大変な増上慢ですけれども、大聖人様には、道理、文証、現証の一切が御身のうえに具わっております。したがって、一切世間の災難の根本原因はどこにあるのかということを、大聖人様は一切経を通覧あそばされたうえで、その的確な文証を『立正安国論』に挙げられて、法華経に対する不信謗法こそ、一切の災難の根本原因であることを指摘せられ、唯一仏乗の妙法に帰依せよと明確に御教示あそばされたのでございます。
  大聖人様が御生涯を通して行ぜられた折伏は、どのようなことがあろうとも、次々に競い起こる大難を悉く乗り越えて、あくまでも正法弘通を貫こうという不退転の決意がなければできることではありません。
  法華経の『勧持品』に、
  「我不愛身命 但惜無上道」(法華経377n)とございますように、大聖人様は、このお経文を命に刻まれて、御自らの身命を惜しまず、ひたすら唯一仏乗の妙法弘通に精進あそばされたのでございます。
  その大聖人様のお徳はどんなに讃えても讃えきれない、どんなに賞讃申し上げても及ばない、仏様としての深い御境界があって、大聖人様が御誕生になっているということを心に銘記していただきたいと思うのであります。
  私たちも、一人ひとりが懸命の誓願を立て、どんな苦難にも打ち勝って、堂々と日蓮正宗の信心の道を全うして行く。そうして、正法弘通、広宣流布のために働かせていただいて、その使命を立派に果たし、本当に幸せな境涯、一家一族の安寧な境地を、一人ひとりの家庭のなかに、しっかりと築いていく。そうすることが、必ずできるということを確信していただきたいと思うのであります。その大聖人様に対する御報恩のために、御誕生会を奉修申し上げているわけであります。どうか大聖人様の弟子信徒らしく、この正法に巡り会えたことを本当に喜びとし、誇りとし、確信を持って、これからの人生を全うしていただきたい。また日蓮正宗の信心を受け継ぐ子供、後継者をしっかりと育てて、盤石な広布の道をさらに大きく展開していっていただきたいということを心から念願して、一言、御挨拶とさせていただきます。
(平成20年2月17日 日蓮大聖人御誕生会において)

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