平成20年9月1日発行 高照山 第249号
妙光寺住職 尾林 日至

妙法の御本尊に具わる意義

  皆様、こんにちは。平成20年9月度の宗祖大聖人様の月例報恩御講に当たりまして、皆様方には、この燦々と注がれた光のなかに、大勢御参列いただき、御報恩の誠を尽くしていただきまして、大変、ありがとうございました。
  大聖人様の御本尊様には本当にたくさんの広大な功徳が含まれております。例えば、妙の一字だけを申しましても、百二十の妙の意義が詰まっているということを言われるのであります。『法華玄義』(巻第二上)によりますと、迹門と本門に、衆生法妙の十如・仏法妙の十如・心法妙の十如が具わり、その六十妙は相対妙と絶対妙に亘って、百二十重になると説かれています。『唱法華題目抄』では、迹門・本門・観心のそれぞれに、根本の十如・衆生法妙の十如・仏法妙の十如・心法妙の十如が具わって、各四十妙となり、合せて百二十重の妙となると説かれているのであります(御書357n)。
  そのなかで、仏様の命と我々衆生の命とは全くかけ離れているように見えますが、それでは、私たちは成仏することができません。仏様の境涯と我々凡夫の境涯が、御本尊様のもとにおいて、一体、平等であるということが保証されて、はじめて、この妙法において成仏することができるのであります。実は「心仏及衆生是三無差別」と申しまして、我々が持っている心と仏様と衆生と、この三つは、実際はかけ離れたものではないということが『華厳経』(巻第十、夜摩天空菩薩説偈品)に説かれているのであります。
  『法華玄義』には、境妙、智妙、行妙、位妙、三法妙、感応妙、神通妙、説法妙、眷属妙、功徳利益妙の十妙ということが説かれておりますが、私たちが心から御本尊様を信じてお題目を唱えていくならば、そこに感応妙が働く。つまり御本尊様・大聖人様と、私たちの間に感応の妙があるのであります。また眷属の妙がある。法華経の行者としての大聖人様と、弟子としての私たちの間に眷属としての立場が働いて、成仏の境涯に至るのであります。また神通妙とありますように、まことに不思議な力も働くのであります。さらに名体宗用教の五重玄の妙法蓮華経と言われるように、私たちの唱えるお題目は名実共に具わった尊いお題目であります。生きた真実の躍動するところの働きがあり、功徳・利益を頂戴することがきるのであります。
  法華経の本門においては、仏様は過去・現在・未来の三世に亘る寿命をもって、衆生を教導あそばされるということが説かれております。御本仏は、三世常住の揺るぎない久遠から末法、尽未来際に至るところの永遠の寿命をお持ちであります。私たちも、たとえ今世において亡くなったとしても御本仏、大聖人様のお命につながっているのでありますから、この妙法のお題目の功徳を満身に受けて、三世に亘る常寂光土の安住の境地に至ることを確信していただきたいと思います。
  入信間もない人も、古い人も、いずれにいたしましても、本因妙・本果妙・本国土妙の三妙合論のうえにおいて、御本仏大聖人様の御魂たる、この御本尊様に、そうした妙の働きが全部具わっているということを深く確信して、これからも大聖人様の真の弟子としての信心を貫いていっていただきたいと念願して止みません。
  私は31年間、全国布教師として、ささやかではございましたが、御奉公させていただきました。この度、忝なくも日如上人猊下から賞状を賜りましたので執事に代読してもらいます。

(妙光寺執事 内海雄幸師 代読)
  賞 状
権僧正 尾林日至
師は三十一年の長きり亘り全国布教師として大法広布のために尽力され、よくその職責を全うされました。そのことは宗内教師の模範とすべきところであります。よってここに賞状並びに記念品を贈り長くその功を賞します。
平成二十年八月二十八日
日蓮正宗管長 早瀬日如


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