平成21年2月1日発行 高照山 第254号
妙光寺執事 内海雄幸

御 挨 拶

 平成21年の新春、皆さん明けましておめでとうございます。ただ今は皆様方と共に勤行唱題を申し上げ、謹んで皆様方の過去遠々劫、現在漫々の謗法罪障消滅、信心倍増、息災延命、家内安全、一切無障礙、現当二世大願成就の御祈念を懇ろに申し上げました。
  本日は、御住職の「新春の御挨拶」のパンフレットをもとに、本年の御命題である「正義顕揚」について、少々申し上げたいと思うものでございます。
  私たちは、現在の人生におきましては、正しい信仰によって大きな功徳を成就し、そうして未来につきましては、我々は永遠の生命を持っていると、このように仏法では説くわけであります。
  ですから死ねば無くなってしまうということではなく、その霊というものは必ず六道のなかに散っていくのであります。そして地獄に堕ちれば地獄のなかのあらゆる苦しみを受けます。しかし末法の大謗法による災難のなかにおいて、この御本尊様を信じ奉り、御本尊様を受持していくところに、必ず現世安穏ならびに後生善処として、未来の大地獄の大きな禍というものをまのがれるということを仰せになっておられます。
  ですから、この大聖人様の仏法は、ただ今日のみにおける功徳のための仏法ではなく、未来永劫に亘っての本当の成仏の道を自分自身で切り開いていけるところの教えであると考えなくてはなりません。
  そうして、この混迷極まる時代に、日蓮大聖人様が『立正安国論』において、はっきりとお示しあそばされたところの正義ということをあらゆるところに顕していく。一人から一人へと正法を伝えて受持せしめ、救っていかねばならないという意義があるわけであります。この正義顕揚ということは、あらゆる面から、その内容に随ったところの要点を、はっきりと考えていくということであります。
  すでに皆さん方も御承知だと思いますが、今の世の中というものは、ありとあらゆる邪宗教というものが、誤った思想によって、混迷混乱を来し、対立をしております。そのなかにおいて、正義顕揚のうえからの要点を考えるべきであると思うものでございます。
  仏教以外のイスラム教、そのほかさまざまな邪宗教のなかにおける対立と抗争、現在も中東におきまして、その惨劇が繰り返されておりますが、その混迷の姿を見るときに、その要点がどこにあるのかと言えば、いわゆる正しい仏法をもって、これらの人びとを善導していくところに、末法万年に向かっての真の正法広布の意義が存するのであります。
  したがいまして、これは「内外相対」、すなわち仏教と仏教以外の教えの勝劣浅深という相対を示して、仏教の教えのみが人びとを教え導くことができるという正義顕揚の要点を、あらゆる角度、あらゆる面において顕していくということが先ず大切であります。
  さらに、同じ仏教のなかにおきましても、小乗仏教等において、間違った宗教に堕ちてしまっている人びとに対しましては、大乗仏教の教えをもって、その誤りをきちんと示していくということが、仏法のなかにおける「大小相対」のうえから大切であります。
  さらにまた日本国のなかにおきましても、禅宗・真言宗・浄土宗・浄土真宗など、さまざまな権経によるところの宗教というものが存在しています。これらの誤りは、いろいろの角度から多くの人びとの心のなかに入り込み、誤った考え方に基づく人生観、あるいは世界観を形成しているのであります。したがいまして、これらの教えを唯一の正法、釈尊の真実本懐の教えである法華経において、きちんと整理整頓し、そうして統合していく必要があります。これは、すなわち「権実相対」のうえからの要点であり、『立正安国論』正義顕揚の意義がそこに存するのであります。
  さらに言うならば、過去と来世の永遠の生命を知らずに、現世の利益のみを追求する浅はかな考えというものを、正しい人生観のうえから永遠の道を求めて行き、久遠より以来の正しい真実の仏法、妙法の当体を示していくところに、正義顕揚としての「本迹相対」の要点、要義が存すると考えられます。
  また、この妙法蓮華経は、上行菩薩の再誕として末法に御出現あそばされた御本仏日蓮大聖人様の人法一箇の大御本尊に帰し、在しますのであります。ここにいわゆる釈尊の教えは脱益の教えであるのに対して、一切衆生の命の根底に成仏のための教えである大聖人様の下種仏法を示すことが「種脱相対」という正義顕揚の要点であります。
  したがいまして、正義顕揚と一口に申しましても、内外相対、大小相対、権実相対、本迹相対、種脱相対の五つの相対、いわばフィルターがあるのであります。そのすべてを表現した本当の妙法流布の一行のなかに、一切を正しく解決していくところの道があるということを知らなくてはなりません。その意味において、私たちは、この正義顕揚の道をどのように実践するかと言えば、間違った思想、あるいは誤った宗教を謗法として、これをはっきりと捨てて、そうして唯一の正法たる妙法をあくまで受持していくところに、この実証が存するのでございます。さらにまた、その正法を受持し、広布を推進していくうえにおきましては、一人ひとりが自ずから妙法に値い奉って、本当にありがたかった、良かったと、心からはっきりと確信して、日々夜々の社会生活のうえにおいて、その現証を示すことが何よりも肝要であると存じます。
本年、正義顕揚の年が皆様方にとりまして、このような年になりますよう、そして、さらに大きな功徳を賜わって、今後の人生をより輝かしいものにされますようお祈り申し上げまして、謹んで御挨拶とさせていただく次第でございます。本日の御参詣まことに御苦労様でございました。(平成21年1月1日 元旦勤行会において)

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