平成十九年三月度座談会
文永八年五月一六日  五〇歳
南 部 六 郎 殿 御 書

 「十輪経に云はく「若し誹謗の者ならば共住すべからず亦親近せざれ。若し親近し共住せば即ち阿鼻獄に趣かん」云云。栴檀の林に入りぬれば、たをらざるに其の身に薫ず。誹謗の者に親近すれば所修の善根悉く滅して倶に地獄に堕落せん。故に弘決の四に云はく「若し人本悪無けれども悪人に親近すれば後に必ず悪人と成りて悪名天下に遍し」云云。」(新編四六三頁)

(通釈)
 大乗大集地藏十輪経には「もしその人が正法を誹謗する人であるならば共に住むことも、親しく交わることもいけない。もし親近し、共住すれば阿鼻地獄に向って行くことになるであろう」と説かれている。たとえば栴檀の林に入れば枝を手で折らなくとも芳香が身に薫る。そのように正法誹謗の者に近づけば今まで積んできた善根をことごとく無くして地獄に堕ちることになるであろう。故に妙楽大師は弘決の四に「もし人にもともと悪がなくとも、悪人に親近すればのちには必ず悪人となって、悪名が天下に広まることになる」と記している。

(解説)
 この御文は悪知識に親近する事の恐ろしさを説き、親近することを誡めたものです。涅槃経に「悪知識に於ては怖畏の心を生ぜよ」と説かれております。悪知識を甘く見たり、警戒しないと、それが因となり、おのずと悪知識に染まってしまうのです。その悪知識を脱し、また救う方法は一つしかありません。それは折伏であります。末法の悪知識に染まったあらゆる宗教思想を知り、打ち破っていく信・行・学を致しましょう。

戻る