御書講(平成20年11月)
妙一尼御前御消息(二)


 しかるに阿闍世王は摩竭提国の主なり。我が大檀那たりし頻婆舎羅王をころし、我がてきとなりしかば、天もすてヽ日月に変いで、地も頂かじとふるひ、万民みな仏法にそむき、他国より摩竭提国をせむ。此等は偏に悪人提婆達多を師とせるゆへなり。結句は今日より悪瘡身に出でて、三月の七日無間地獄に堕つべし。これがかなしければ、我涅槃せんこと心にかヽるというなり。我阿闍世王をすくひなば、一切の罪人阿闍世王のごとしとなげかせ給ひき。
(新編御書 832)

(通釈)
 しかしながら、阿闍世王は摩竭提国の国主である。私の大檀那であった頻婆舎羅王を殺害し、私の敵となったので、天も阿闍世王を捨て、日月には異変が起き、大地も阿闍世王を頂くまいと地震を起こし、万民は皆仏法に背き、他国は摩竭提国を攻めた。此等は悪人である提婆達多を師匠とした事が原因である。結局は今日から悪
瘡が身に出て、三月七日には無間地獄に墜ちてしまうだろう。これが悲しいので、私は涅槃する事が心に懸かるというのである。私が阿闍世王を救うならば、一切の罪人は阿闍世王のようだとお嘆きになられた。

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