平成15年6月5日の妙教に掲載されました3回目。

第1回 ・ 第2回 ・ 第3回

下記より掲載文面

今回は、宗門主導の海外布教を始めるに当たって、苦労されたお話、とくに創価学会の悪質な妨害、謀略、そして、それを跳ね返して躍進する国々の姿を話して戴いた。また、様々な困難な事情のなかを、折伏、弘教し、総本山に参詣する海外の法華講メンバーの素晴らしさ、それぞれの国に赴いてその国の言葉をマスターし、メンバーと一体になって教化、活動する僧侶の苦労、今後の海外布教の展望などをお話戴いた。

インド御出張の砌

スリランカ御受戒風景
ロサンゼルス妙法寺30周年記念法要 インドネシア妙願寺落慶入仏法要
フィリピン事務所開所式 スペインカナリア諸島テネリフェのメンバーと

ガーナ法華寺5周年記念法要並びにアフリカ総会

中華民国、宗旨建立750年祈念総会

編集部 では次に、常宣院様が海外部長になられてからの御苦労話や、宗門主導の海外布教に対して、創価学会がどのような妨害工作をしてきたかをお話し願えますか。

常宣院 これは、私が海外部長を拝命した一番初期の頃のことですが、海外出張御授戒の打ち合わせのために学会本部へ行ったのです。その時に学会サイドでは、秋谷とか上田とかが出て来て、それで打ち合わせの会議に入ったわけですが、学会側は最後にメモを見ながら「以前の宗門と学会の連絡会議で、海外出張の御授戒に行った場合は、その国、信徒の御供養は、その国のSGIにプールして未来の広布のために置いて来る、ということが決まっていますので、海外部長さん、そのことを了解してください」と向こうが一方的に言ってきたのです。私はそのようなことは聞いていないし、前の部長さんからも申し継ぎされてもいませんでしたので、「いや、ちょっと待って下さい」とその問題は保留にして、帰って来てから総監さんにそのことを電話でお尋ねすると、総監さんは「いや、そんな取り決めはしていない」と言われて、以前の連絡会議での取り決めでは、「送金できる国は日本に御供養を送金して、できない国においては信徒の御供養をプールしておく、ということになっている」というお答えだったのです。それで、すぐに秋谷に電話をしたら、「あっ、分りました。そうでした、そうでした」と言うのだね……(笑)。


編集部 それは学会が、常宣院様を騙そうとなさったのですね。

常宣院 だから本当に、「気を抜いてはいけないな」 「一つ一つ確認して当たらなければ。油断してはいけないな」と思いました、むこうは、海外部長の交代の隙を狙って自分たちの考えを一歩押し込もうという魂胆だったかもしれない。まあそうやってこちらの力量を試したのかもしれないけれど、油断も隙もないという感じでしたね。


編集部 常宣院様が海外部長になられた次の年の、昭和六十四年・平成元年頃から、池田大作はあらゆる会合で宗門批判のスピーチを繰り返していましたから、彼らの考えでは、やはり常宣院様を色々な機会を使って陥れようとの策謀があったのかもしれませんね。現在でも、日蓮正宗信徒がいる各国に宗門僧侶が布教のために出かけると、創価学会の布教妨害や嫌がらせが日常的に行なわれるのですか?

常宣院 そうですね、宗務院海外部のメンバーは、私を含めて、主任・書記という人達が海外に出た場合はほとんど尾行されたり、ホテルの張り込みがありますね。ひどい時には、誰が海外に行っても必ず尾行されたりしました。最近は少なくなったようだけれど。激しい時はどこでも付け回して来て、シンガポールなんかではビルの地下の駐車場まで追っかけて来るようなことをされて。


編集部 それは現地の学会貝がそのような行動に出るのですか?

常宣院 そうそう、だからこちらは警察に飛び込んで通報し、避難したこともあるしね。


編集部 海外の学会員も日本と同じように洗脳されているのですか?そのような行動は、道義的に許されることではないという意識はないのですか?

常宣院 それは感じる人もいるでしょう、だから顔の知られた人を使わないのです。スペインなどでも現地の人は使わないで、アルゼンチンからわざわざ人を連れて来て、写真を撮らせるというようなこともするのです。


編集部 あの人達の神経が分かりませんね、果たしてそれが正義のためだと、本当に思ってやっているのでしょうか?

常宣院 スペインの場合でも、猊下の御親修があって、こちら側が丁度よいホテルを三日間借り切って使おうとすると、先方側は大きな旅行代理店を使って同じホテルを、「我々は一週間借り切るから、宗門側の予約はキャンセルしろ」という圧力をかけてくる。また、去年の台湾高雄の法要の時も、こちらの泊まるホテルを虱潰しにさがして、我々の泊まることがわかると、そのホテルに 「同じフロアを、三十何人分日本から来て借り切るから」などと言って来たのです。その時はこちら側が事前に察知して、マネージャーに事情を話して、そういうことを仕掛けて来る人達は断るように話をしてあったのです。相変わらずロビーや駐車場に張り込んで、隠し撮りなどをしていたことはありました。


編集部 しかし、彼らは将来的に今自分達がやっていることが、結局は自分の首を締める結果になるということが分からないのですか?

常宣院 分からないのだね。何としてでも宗門の海外布教のカを弱めればいいと思っている。彼らはとにかく宗門憎し、猊下憎し、ですからね。やはり、僧侶が常駐する、お寺ができる、ということは彼らには脅威なのでしょう。学会に対して堂々と彼らの悪を暴いて破折できるのは、正宗だけですから。ガーナやフィリピンの場合のように、一度は彼らの謀略と告発によって、宗門の布教が頓挫したときもあるけれど、それが半年一年とこちら側が粘り強く正義をもって交渉して、かえって以前より強い信頼を勝ち得て、新たな道が開かれたということがあります。今海外広布の時代を迎えて、そのような確固たる実相が顕われてきて、本当に有り難く思っています。また、ガーナでは五年前お寺ができた時、御法主上人猊下を入仏落慶式にお迎えできないという残念なことがあったのですが、五年後の今日、宗旨建立七百五十年のお祝いと五周年記念の総会が今年の二月にありまして、今回地元メンバーの結集は何と三千名ですよ(妙教五月発行百二十八号に詳説)。空港も総会の一週間前に新ターミナルができて、空港の中までメンバー三人と青田住職とが迎えに来てくれてね。それと、ガーナは雨の少ないところだから砂塵がすごい所なのだけれど、みんなで雨が降るようにお題目をあげてくれたら、私たちが着く朝に三か月ぶりに雨が降って、みんな大喜びでね。総会は本堂内に一千名、本堂の外に二千名のメンバーが詰めて、十二台のテレビモニターをセットして盛大に奉修できました。また、ガーナの法華寺法華講メンバーのカで学枚を造ろうという計画もあるのです。それはなぜかというと、メンバーの子供がせっかく入信してお題目を唱えるようになっても、一般の人達はキリスト教の人が多くて学枚で差別されたりイジメにあったりすることもあるようです。それならば法華寺で学枚を設立して教育の一貫として信心も教え、人材を育てて行こうという希望があります。また、学校を造るということは、ガーナの社会に貢献をすることにもなり、今後、宗門としても大切なことだと思います。中華民国台湾などでも、奨学金の制度を作ったり、献血をしたり、海岸の清掃をしたりというような社会貢献をしています。


編集部 台湾の御僧侶から開いたことですが、台湾では法律によって他宗の破折ができないので、布教は難しい、ということをお開きいたしましたが、そのような国は他にも多くあるのですか?

常宣院 それはアジアを中心に、インドネシアでもマレーシア、シンガポール、インドなんかでもそうですが、その国の政府の考えの中に、「色々な宗教があってもいいが、但し我が国の中で混乱を起こすようなことはしてもらいたくはない」との基本的な考えがあるのです。そういう難しさはありますね。


編集部 ガーナの国情についてお開きしますが、ガーナはキリスト教圏なのですか?

常宣院 キリスト教とイスラム教の・・・柑堀ですね。昔の植民地時代の宗主国はイギリスなのですが、キリスト教とイスラム教が凌ぎを削っているという感じですね。病院・学校・町を走っているバスなんかも教会がその資本を出しているとのことです。


編集部 その資金力はどこから出ているのですか?

常宣院 それはやはり教会の献金から出ているのでしょうね。そのバスに乗ると教会の宣伝をしていますし、教会や教会系の病院の前に来ると乗客全員で十字を切ってお祈りをするのです。


編集部 日蓮正宗の信徒が、キリスト教・イスラム教の住民から迫害をうける。また、民主化されていない国の政府が正宗信徒を迫害する、というような問題も将来的には起こるかもしれませんね。

常宣院 インドネシア、マレーシア、タイ、シンガポール等の場合、昔四百年、五百年前に、中国本土からそれらの国に移住したいわゆる華僑の方々がいます。その時は中国本土よりそれらの国に移住をしなければならない何らかの理由があったのでしょうが、四百年、五百年たって、それらの人びとがその社会の中にしっかりと根づいて、経済力をつけ、社会的な指導者となつて行く、政界へ進出して行く人もある。今これらの人びとが入信して信心に励んでいる。そのような人びとが東南アジアの広布を担ってくれているのです。 だから、インドネシアやマレーシアのようなイスラム圏の国で日蓮正宗が認められているのは、そういう背景があるのです。本当に歴史の重みを感じます。何百年たって始めて妙法広布の使命が明らかになってくる。単に移住してきたのではなくて、この”時”を待っていたのです。”広布を支える民として、あらかじめその国において妙法が伝わって来るのを待っていてくれた”と言えるのではないか。そして、それぞれの国において広布の使命を果たしてくれている。だから日本から台湾・フイリピン・タイと海沿いにず−つとつながって妙法がインドヘ帰って行く。またさらにヨーロッパに伝わって西アフリカを越え日本の対極の西にあるスペインのカナリア諸島のテネリフエにも法華講のメンバーが百名以上信心に励んでいる。これも大聖人の下種仏法の意義からいえばすごいことで、一間浮提に広宣流布してゆく担い手がすでに西の果ての国々に生まれて来ている。広布の担い手としての役目を果たしている。この不思議な現象、実相をみる時に、「ああ、世界広布の時が来たのだな」とつくづくと感じます。


編集部 では、最後になりますが、宗門主導の広宣流布・海外布教という時代を迎えて、今後の宗門僧侶としての御奉公のあり方、海外信徒への教導のあり方等お話し願えますか。


常宣院 平成三年三月五日に日顕上人猊下の大英断のもとに、それまで海外布教は宗門として創価学会・SGI会長に一任していたものを宗門が責任を持って海外信徒の教導・育成をして行こうとの方針が決まり、通達を出したわけです。それから直接各国の信徒と面談をし、また受け入れ体制を整え連携を取り合って来たのです。平成三年三月五日の通達を出した夜、猊下より「本日通達を出して、いよいよ海外布教においても宗門主導の時代を迎えるようになるけれど、どんなことがあっても怯むことなく、決然としてやっていこうではないか」という励ましのお言葉を頂いて、本当に「弥々これからしっかりやっていかなくては」という思いを強くしました。勿論、従前はSGIに海外信徒の指導は一任していたわけで、それを全部宗門が主体者となってやってゆかなければいけない。これからどんな困難が起きてもどんな時代になっても、猊下の御指南のまま勤めて行かなければならないと決意しました。それで、宗門主導の海外布教ということですので、まず猊下の御指南を正しく信徒に伝えて行かなければいけない。その一環として海外信徒向けに必ず新年のお言葉を賜わって、それを全ての国の信徒にお伝えする。それと、登山をして二大法要、夏期研修会、それと去年のような海外信徒総登山とかを通じて信徒の育成を計って行く。猊下にはその都度御慈悲溢れる御指南を賜わり、それぞれの国の信徒が、それぞれの国の広宣流布への誓願と精進の志を正しく持ってくれたことは本当に有り難いことであると思います。今、日蓮正宗としては、御講の教材を作りまして、英訳して毎月御講までに届くように海外の寺院・指導者の元へ送っているのです。それから 「日蓮正宗ニュース」という英語の機関誌ですね、それも毎月発刊し、また猊下の御指南・その他のニュースを掲載した小冊子を発刊しています。その中には毎年の活動目標を三つ設定して、毎年お会式に発表して新年より活動を始めるという方式をとっています。そして、毎年の総本山登山の案内、研修会の案内、等をするようにしています。また、一方国最低毎年二回以上の僧侶を交えての指導会を開催するようにしています。現在十三カ国二十三方所にお寺や布教所があり、三十六人の僧侶が常駐しています。信徒は、本当にわずかな人数のところもありますが、全部入れると、四十八ヵ国六十二万人の海外信徒がいます。中華民国台湾などは、平成九年から現在までの間に急激に信徒が増えて、現在までにお寺や布教所が五ヵ所もできました。また、今年の十一月には八千人もの結集目標で総会を開くということです。


編集部 すごい勢いですね。

常宣院 それと、信仰の根本である総本山を渇仰する信心のすごさはどの国の信徒の方も変わりないですね。さっきのテネリフエの御信徒は、スペイン本土のマドリッドまでが飛行機で2時間半、マドリッドからフランクフルト乃至パリあるいはスイスのチユーリッヒを経由して二時間、さらにそこから日本まで十二時間、まる二日開かけなければ日本に来れないのです。それでも平成四年から今日までカナリア諸島から総本山の登山に二十回も来た人がいるのですよ。スリランカでも女性弁護士さんの娘さんで高枚生なのですが、毎日学校の帰りに現地の日蓮正宗センターの床の掃除をし、勤行に参加して帰宅するような信心熱心な子がいます。その子が今度イギリスヘ留学することになって、将来は日蓮正宗の広宣流布の人材になりたいとの決意を披露してくれましね。本当に有り難いことです。


編集部 海外に行って思うのですが、海外の御信徒は大変に僧侶に対しての尊敬心が厚いですよね。

常宣院 それはね、アジア・ヨーロッパの別なく、住職であれ在勤者であれ、僧侶は宗門を代表して来てくれているという思いがありますからね。年の老若ではないのです。ですから正宗僧侶は、日常の態度・言動・振る舞い、それらのことを本当に僧侶らしくしつかりとしてもらわなくてはいけませんね。海外に赴任している僧侶は、日蓮正宗を代表しているという思いを常に持っていなければいけません。また、海外信徒もそれを期待していますから。それとやはりその国の言葉をしっかりマスターしなければいけません、通訳を介してでは、本当の悩みを打ち明けられませんからね。今年からタイとアルゼンチンに若い僧侶が語学留学に行くことになったのですが、しつかりと現地の言葉や生活習慣などを勉強して来てもらいたいですね。

編集部 海外信徒と日本の信徒との信心姿勢の違いというのは、どのようなところに感じられますか?

常宣院 日本の信徒の場合はやはり余りにも恵まれ過ぎていて感動が少ないというかドラマがないよね。海外の人は苦労しているし、だから苦労した分だけ大きな喜び、つまり功徳を頂いた喜びが強いですね。それと体験がものすごい、本当に一人ひとりにドラマがあるという感じです。ガーナの総会等では、小さい子供が「モア、チャンティグ′もっと題目を′」と現地の言葉で御書を暗唱してパフォーマンスをするのです。またみんなで「アフリカ広布の歌」を合唱するのですけれど、それは本当にすごいです。スリランカでも御授戒の時は一生に一度のことであるからということで、みんな正式のサリーを着て正装して来るのです。本当にみんな渇仰心と情熱をもって真剣に信心していますね。これら海外信徒の生の姿をビデオに撮ってありますので、御紹介したいと思っています。日本の法華詩の人達にもぜひ見てもらって大いに発奮してもらいたいですね。


編集部 長い時間取材にお付き合い頂き大変に有り難うございました。


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