戒を守ることの大切さ

妙光寺通信(平成16年8月1日)

人間が社会において、また人間として全うな人生を生きるために、守るべき基本的な「戒」として、仏教では「五戒」の必要性が説かれています。

この五戒は小乗教の人々も大乗経や法華経を信奉する人にとっても、また仏教徒ではなくとも守ることが大切とされる禁めであります。

「五戒」の第一は、むやみに殺生をしないことです。
戦争という人間の大殺りくをなくし、動物を始めとする生き物の命を大切にすることであります。

第二は不偸盗ふちゅうとうで、人の物を盗んではならないという事であります。品物であれ、お金であれ、人の財産や保有する物を盗むことは一般社会でも犯罪となります。

第三は不邪淫ふじゃいん、すなわちよこしま な淫欲は家庭を破壊し、人間関係を不浄なものとします。人間の社会や家庭では、動物の世界と違って、やはり守るべきモラルが必要であります。

第四には不妄語戒ふもうごかいといって、嘘いつわりを言わないという事であります。近年の日本の政治家や官僚、銀行の役員等の言動の中にも、何と嘘いつわりや隠し事が多い事かと驚くばかりです。

第五の戒が不飲酒戒ふおんじゅかいで、酒を多飲することによって、人間関係を乱し、いさかいを生じ、成人病を患い、家庭が崩壊する事も少なくありません。最近の社会はとみにこの五戒を知り、五戒を守る事の必要性が増してきていると言うべきであります。

しかし日蓮大聖人の弟子信徒として、日蓮正宗の信徒が受ける仏の妙戒は、大聖人が『教行証御書』に
「此の法華経の本門ほんもん肝心かんじん妙法蓮華経は、三世の諸仏の万行万善ばんぎょうばんぜんの功徳を集めて五字とり。此の五字の内に豈万戒あにばんかい功徳くどくを納めざらんや。但し此の具足ぐそく妙戒みょうかいは一度たもって後、行者ぎょうじゃ破らんとすれども破れず。是を金剛宝器戒こんごうほうきかいとや申しけんなんど立つべし。」(御書一一〇九頁)
と説かれているように、あらゆる戒法を束ね、三世の諸仏の万行、万善万戒の功徳を納める戒法なのです。

しかも、如何なる事があっても生死の時空を超えて、未来永劫に不滅の戒法である事を誇りとして、正宗の信心の価値を見出して下さい。

「金剛宝器戒」とは、金剛の如く強く固く破れず、「宝器」のように尊い戒法という意味です。