善日麿は漁師をしている父(重忠)と母(梅菊女)の深い愛情につつまれた中で、すくすくと育ちました。
村の子供たちが楽しそうに遊んでいても浜辺に出てはいつも砂の上に字を書く練習や学問の勉強をしていました。でも子供のころから人への思いやりが深く、こまやかな心づかいと強靱な意志の持ち主で村の子供たちの中心になって困った人たちや弱い子供たちの面倒をみていました。
そんな善日麿の将来を気にとめていた両親は「この子を漁師にするより学問の道に進ませてあげたい。そして世の中の人たちのために役立つ人になって欲しい。」と思うようになっていました。