妙一尼御前御返事
令和四年八月度 御報恩御講拝読御書
妙一尼御前御返事 御書一四六七ページ二行目~五行目
(弘安三年五月十八日 五十四歳)
夫信心と申すは別にはこれなく候。妻のをとこをおしむが如く、をとこの妻に命をすつるが如く、親の子をすてざるが如く、子の母にはなれざるが如くに、法華経・釈迦・多宝・十方の諸仏菩薩・諸天善神等に信を入れ奉りて、南無妙法蓮華経と唱へたてまつるを信心とは申し候なり。しかのみならず「正直捨方便、不受余経一偈」の経文を、女のかゞみをすてざるが如く、男の刀をさすが如く、すこしもすつる心なく案じ給ふべく候。